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墨染寺blog~ぴぐ坊のつれづれ日記~

ぴぐ坊こと当山副住職が仏教のことを中心に、日々のよしなし事を綴ります♪

原点

先日、とある打ち合わせに行ってきました。
その打ち合わせとは・・・

近畿教区 僧風林!!

僧風林とは、小学校4年生~中学校3年生までの沙弥が修行をする場所です。
「沙弥」と書きましたが、「一人前になる前の弟子」のことを言います。
つまり、お寺の息子さん・娘さんなど、将来のお坊さんの卵のこと!
僧風林とは、そのような小僧さん達が僧侶の基本中の基本の部分を習得しに来ます。
ちなみに、期間は7月25日から31日までの一週間。。。
林生(僧風林に入ってきた生徒たちをこう呼びます)にとっては、なかなか辛い一週間となります。
そう、私は今回、その僧風林の講師というか、指導係として関わることになりました!
その打ち合わせに行っていたのですね~

主任先生をはじめ6名の常任講師陣で、林生を時に厳しく、時に優しく指導していきます。
小僧さんの修行とはいえ、その内容はなかなかハード
お坊さんの基本である「三宝給仕」(仏・法・僧の三宝にご給仕をする)を徹底的に仕込まれます。
朝は5時半に起床し、朝勤に出仕
その後、掃除・朝食を済ませ、本山の貫首猊下の訓話仏さまのご生涯日蓮聖人のご生涯について学んだり、
法要の作法声明お経書道ete...
あらゆる基礎を徹底的にたたき込まれます!
9時の就寝まで、休む間もなくカリキュラムが組まれているのです。


かく言う私も、この僧風林に小学校4年生から4年間、毎年行っていました。
当時は関東に住んでいたもので、夏休みに入るとすぐに新幹線で京都まできて、
7月25日から一週間入林。
私の夏休みは、いつも8月1日から始まる、みたいな感覚でしたw
本当に行きたくなくて、行きたくなくて
修行は大変でしたが、毎年行くのが楽しみでした☆

本当に冗談抜きで、私が今あるのはこの僧風林のおかげだと思っています。
この一週間の修行で覚えた所作や声明やお経は、10年経っても忘れていませんでした。
まさに「三つ子の魂百まで。」!
私の僧道生活の原点がここにある、と言っても過言ではありません。
そんな僧風林に今度は講師として関われるというご縁に、限りない法悦を感じています。
このお礼奉公、しっかり務めて参りたいと思います!!

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  1. 2012/06/28(木) 23:31:47|
  2. 宗門関係
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充実の週末②~京都日蓮宗青年会の勉強会~

前日の名古屋での結婚式から帰宅して、
24日の日は、京都日蓮宗青年会が主催する、青年男女対象の勉強会の開催日でした。
京都日青では、高校生以上の学生の方や社会人の方を対象に、
仏教や法華経に分かりやすく触れて頂きたいという想いから、
年に3回ほど、勉強会を開催しています。
今回は今年度の第1回目の勉強会ということで、
本山 頂妙寺さまを会場にお借りし、開催しました。

今回の勉強会のテーマは「心を磨く」☆
見えているようで、見えない、
分かっているようで、なかなか分からない、
それが「自分の心」ではないでしょうか?
心は、どこにあるのか?
仏教では、心をどう捉えているのか?
その「見えない心」をどうやって磨くというのか?
そんなことを中心に、みんなで考えてみよう!という主旨で行いました。

今回はママさんたちがお子様連れでお見えになって下さいました☆
すごくアットホームな雰囲気の中、勉強会を開催する事ができました!

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私も一つ講義を担当して、お話をさせて頂きました!

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「ちょうどよい」という詩を題材に、「しあわせ」というものについてみんなで考えてみよう、という話をさせて頂きました。
この「ちょうどよい」という詩、本当に素晴らしい詩で、
高僧である良寛さん作、という説があるそうですが、どうやらとある現代のお坊さんが作られた詩のようで、シンプルでいてその内容が深いことから、「良寛作」という噂が一人歩きしてしまったようです。
詩の冒頭部分をご紹介させて頂きます。

お前はお前で丁度よい
顔も身体も名前も姓も
お前にそれは丁度よい
貧も富も親も子も
息子の嫁もその孫も
それはお前に丁度よい
幸も不幸も喜びも
悲しみさえも丁度よい


どうでしょうか??
簡単な言葉で表現されてますが、奥が深いと思いませんか??
このことを、仏教語で表現すると、「中道」という言葉になります。
これらのことを悟られて、お釈迦様は仏となられたと言ってもいい。
このように、仏教・法華経の根本というのは、シンプルなようで非常に難しいのでしょうね。。。
だからこそ「精進」していかなきゃいけないのだろうな~と漠然と考えています。

さて、今回の勉強会でとってもためになって、面白かったのが、
体験企画「美味しいお茶の淹れ方教室」!!
京田辺にある「舞子の茶本舗」というところにお勤めの
日本茶インストラクター」の方に来て頂いて、お煎茶・お抹茶の美味しい淹れ方を教えて頂きました。
「日本茶インストラクター」なる資格があるんですね~驚きw

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今回はお作法を習うのではなく、どのようにしたら美味しいお茶が楽しめるか、という講義でした。
お茶の種類から始まって、水(お湯)の沸かし方、お湯の温度、その温度によって味が変わってくる、お茶の上手な買い方、保存方法、お茶の成分etc...
いろいろな事を教えて頂きました!

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やはりお寺にいると、お茶を飲むのはもちろん、お檀家さんなどにお茶をお入れする機会も多いので、
大変ためになる企画でした。
お茶を美味しく飲む5大要素は、
①茶器②茶葉③お水・お湯④入れるコツ⑤まごころ
だそうです☆やはり、何ごとも「まごころ」が大事なんですね~勉強になります☆

この青年会の勉強会、今年度はあと2回開催する予定です。
興味がある方いらっしゃいましたら、お気軽にお声掛け下さい☆
  1. 2012/06/25(月) 23:23:31|
  2. 京都日蓮宗青年会
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充実の週末

3日に1回は更新したいな
と決意して始めたブログ。
気づけば前回の更新から、はや一週間が経過。。。
早くも、方針転換wお許し下され~。。。

さて、先週末は、忙しいながらも、充実した週末となりました。

22日は夜から、京都日青で発行している冊子「るふ」の発送作業がありました。
「るふ」は青年会で、お盆・秋彼岸・正月・春彼岸年4回発行している季刊誌で、
檀信徒の方々はもちろん、未信徒の方や仏教に触れたことのないような方にも、
分かりやすく仏教・法華経・お題目を知ってもらおう、という思いで発行しております。
今回の「るふお盆号」は200号の特別記念号として編集しました。
記念号ということで、京都日青の名だたるOB上人に執筆を依頼しました☆
まさに永久保存版!!
是非、手に取ってもらえると幸いです☆

るふ200号写真

そして、23日は高校時代の友人の結婚式名古屋まで行ってきました!
夕方からの結婚式で、ちょっと早めに着いたので、少し観光に。
名古屋城に行ってきました!
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初めて見る金のシャチホコ・・・
遠くてよくわかりませんw
しかも、閉園ギリギリで入ったため、天守閣に上れず。。。残念。
早々に退散しました。

名古屋城のすぐ近くに市役所と県庁があったんですが、
結構驚き!「ナニコレ珍百景」ですな~

屋根が、お城風!天守閣!?
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なるほど~さすが徳川家のお膝元。。。
地下鉄の駅もこんな感じ↓

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当の結婚式はというと、アットホームな和気あいあいとした雰囲気で、
とてもすばらしい結婚式&披露宴でした!
本当におめでとう!
不肖私、スピーチをさせて頂きました。。。
緊張した。。。
拙いスピーチでしたが、新郎新婦ともに喜んでもらえたようで何よりでした☆
良い経験をさせて頂きました!
新郎とは高校時代の友人で、高校卒業後も一緒にバンドを組んでいた青春の仲間です。
彼がドラムで、ボクがベース
バンドのリズム隊として、共に頑張りました☆
その彼の結婚に華を添えられて、本当によかったなあと、思いました。
いつまでもお幸せに!!

翌日24日は、京都日青主催の勉強会があったのですが、
その模様は、次の記事で。。。

つづく
  1. 2012/06/25(月) 12:18:33|
  2. その他
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6月の婦人会例会!

本日6月18日、当山の婦人会の例会を行いました♪
婦人会さんは、毎月18日にみんなで寄り合って、例会を開いているんです~

まず集まったら、本堂にて法味言上(いわゆる本堂の仏さまにご挨拶)&ご先祖さまへのご回向をして、
それが終わったら、鬼子母神堂に移動してご祈祷。(これは副住職の私が行います)
そしてご祈祷が終わったら、私から簡単な法話(10分ほど)をさせて頂いています。
「自分自身の勉強にもなりますし、お話させてもらえませんか?」とお願いしたら、快くお受け下さいまして、毎月お話させて頂くようになりました。ありがたや~
そしてそれも済んだら、客殿に戻ってその月の行事を行います。
大抵は、「お経の練習」や「お太鼓の練習」を行うのですが、月によっては、婦人会のある方が自分の得意分野について、先頭に立って「みんなでこれやってみよう!」というような時間も設けたりしています。過去には「みんなで折り紙」なんていう時間もありました。

今回行われたのは、「みんなで塩麹作り」!
今、結構流行ってるそうですね、塩麹
調味料として、いろんな料理に手軽に使えて、しかも美味しい、と世の奥様方には評判のようで☆
で今回、普段から自作されている方に先頭に立ってもらって、みんなで作ってみました☆
その様子は、こんな感じ☆

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まず、麹をパラパラになるように手で揉んでほぐします。
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そして、お塩を入れて混ぜます。
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この時、混ぜた麹がしっとりとするくらいまで揉み込むそうです。

そして、数回に分けてお水を入れていきます。
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混ぜていって・・・
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で、水が適量入ったら、完成☆
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タッパーなどに小分けにしていきます。
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簡単ですね~☆
なんだか、お料理教室のブログみたい(笑)
婦人会の皆様、今日はお疲れ様でした~!!
  1. 2012/06/18(月) 21:21:06|
  2. 墨染寺
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【今日のなるほど】『反・幸福論』

梅雨ですね!
ただ、近畿地方、曇り空は多いですが、雨は少ないですね~
今日も梅雨の晴れ間で、ものすごく暑い一日となりました。
しかしこれからが梅雨本番、
ジメジメ・ムシムシ、特に京都は過ごしにくい季節が到来しますね。。。

さて【今日のなるほど】、
佐伯啓思著『反・幸福論』(新潮新書)を読みました。
京大大学院の教授でいらっしゃるそうです~

反幸福論

まだ途中までしか読んでないのですけどね。。。
本屋さんで、タイトルと帯のセンセーショナルな感じに惹かれて手に取りました。
特に帯には、

「人はみな幸せになるべき、なんて大ウソ!
稀代の思想家が「この国の偽善」を暴く。」


という過激な一文が。。。
なんか、煽っとんな。。。と思い、一度は棚に戻そうかと思いましたが、
帯の裏部分には、

「日本の伝統的精神のなかには、人の幸福などはかないものだ、という考えがありました。(中略)現世的で世俗的で利己的な幸福を捨てるところに真の幸せがある、というような思考がありました。それがすべていいとは思いませんが、かつての日本人がどうしてそのように考えたのか、そのことも思いだしてみたいのです。(「はじめに」より抜粋)」

という、まっとうなご意見があったので、購入してみました。

最近、タイトルと中身が違う新書って多いですよね~
タイトルで釣ろう、という出版社の魂胆が透けてみえる、というか。。。
この本もそういう類なのかな~、と思って読み進めていくと、
なかなかズバズバ斬り込んでいらっしゃいました。
現代の日本人・日本社会をなんとなく包んでいる「幸福感(幸福観?)」というものを様々な社会問題などの事例を通して分析され、論じていらっしゃいました。
「なるほど~」と納得できる部分と、「う~ん」と唸る部分と両方ある感じでした。

【今日のなるほど】な部分は以下に引用します。
「国防」について論じていらっしゃる章です。
いろいろデリケートな問題を孕んでいると思いますが。。。

。。。っと、いろいろと本文を引用したのですが、引用というのは、非常に難しいですね・・・
デリケートな問題だけに、途中までの引用だと論旨が誤解されてしまう恐れがあるものになってしまったので、全部消しました。
まとめると、「尖閣諸島」の問題、「日米安保体制」の問題、「平和憲法」の問題、そこからあぶり出される「戦後日本」の問題・・・
自分達の国土を、自分達の手でで守りきれないことのジレンマ・・・
「果たして戦後65年、戦争に巻き込まれなかった我々日本人は、本当に平和で幸福であったのか?」と、著者は問うていらっしゃいます。

ある若い社会学者が、
「日本は、戦争が起こった時に国のために戦う人の割合が15.1%と世界最低の国防意識を誇る。そのことを、非常に好ましいことだとさえ思っている。」
と、ある雑誌に書いていました。このことをどう受け止めるか?
ちなみに、この方は20代後半の新進気鋭といわれている社会学者の方です。

日蓮聖人門下の我々にとって、「立正安国とは?」「世界平和とは?」「浄仏国土とは?」
様々な事を考えさせられた一冊でした。
  1. 2012/06/14(木) 23:31:12|
  2. 【今日のなるほど】
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お坊さんが子どもたちに伝えたい10のこと

本日、ただ今帰宅しました。
日付が変わってしまいましたな。。。
こんな時間まで何をやっていたのか、というと、、、

京都日蓮宗青年会の会議に行っていました!

「京都日蓮宗青年会」というのは、詳しくはまた記事にしようと思いますが、
京都の日蓮宗の若手僧侶で構成されている会です。
定年は35歳。35歳までの青年僧侶が、互いに切磋琢磨しながら、
行学の二道(学問と布教活動などの実践活動)」に精進しています。

私は、その京都日蓮宗青年会(略して「京日青」)で事務局に就いておりまして、
京日青の事務仕事や広報、窓口となる仕事を担当しています。

その事務局の仕事の傍ら、「教化」という担当も与えられています。
この「教化」というのは、どのようなことを担当するのかというと、
主に「小中学生を中心にした少年少女の皆さんに、仏教を伝えていこう!」
ということを担当します。

具体的には、毎年夏休みの終わり頃に行う、
「少年少女のための修養道場」
というものの企画・運営を担当します。
今日は、その修養道場に向けての担当会議だったんですね~

その修養道場、一体どのような事をするのかというと、
「仏さまの光を私たちのまわりに広げましょう」というメインテーマを掲げ、
小学校3年生~中学校3年生までの子どもたちを対象に、お寺に泊まりながら、修行をしたり、仏さまの教えについて学んだりする、ある種の「サマースクール」のようなものです。
ただし、単なるサマースクールとは違い、そこは道場ですので、
食事作法礼儀作法、また仏さまの前でのお作法などに対しては、厳しく指導しています。
正座が辛かったり、好き嫌いがあって食事の時間が辛かったり、様々な辛い経験もあるようですが、
子どもたちが自分と向き合って、壁を乗り越えようとする姿に、スタッフが感動することもしばしば。
子どもたちにとっては、お寺という非日常の空間、それも厳かな雰囲気を敏感に感じるらしく、様々な事を吸収している様子が見て取れます。
もちろん、楽しい遊びの時間もたくさんあります☆

そんな修養道場、今年は、、、
「お坊さんが子どもたちに伝えたい10のこと!」
というサブテーマを掲げて開催します!
「未来の大人」となってこれからの社会を担っていくことになる現代の子どもたちに、
我々僧侶が伝えておかなければならない「10のこと」について、修養道場を通して学んでもらおう、という思いから、このサブテーマを掲げさせて頂きました。
お子様、お孫様、お知り合いのお子様などなど、興味がありましたら、是非ご参加頂ければ幸いです☆
詳細は以下の通り!

第42回 少年少女のための修養道場
◆日 時:平成24年8月20日(月)~22日(水) (2泊3日)
◆場 所:大本山 本圀寺 (京都市山科区御陵)
◆対 象:小学校3年生~中学校3年生までの少年少女
     ※高校生以上のお手伝いスタッフの方も、同時に募集しています。
◆参加費:8,000円


詳しくは、京都日蓮宗青年会のHPもご参照頂ければと思います。
まもなくチラシ・ポスターが完成し、今月末くらいから、参加者の申し込み受付を開始します。
  1. 2012/06/12(火) 01:24:47|
  2. 京都日蓮宗青年会
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「いのち」について考えさせられた初夏の日

昨日の午前中、とある場所に見学に行きました。

「とある場所」というのは、食肉加工センター。

私たちが普段食べているお肉。スーパーなどで売られているお肉は、細切れになってパックに入って売られていて、そういう状態でしか、私たちはほとんど目にすることが無いと思います。
ともすれば、その状態だけを見ると、「私たちは、生きているいのちを頂いている」という感覚が、忘れられてしまいがちな気がします。

ということで、大学で畜産の研究をされていた先輩僧にお声掛け頂き、食肉加工の現場に連れて行って頂きました。

今回訪れたのは、京都から車で約1時間半、
兵庫県加古川にある「加古川食肉センター」。

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敷地内には、「畜魂碑」という慰霊碑が建てられていました。

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その日に加工される牛たちが集まっていました。

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その後、職員の方がと殺の現場を案内して下さいました。
案内の後、食肉となる牛たちが、生まれてから加工され、実際に食されるまでのドキュメンタリーDVDを鑑賞し、センターの所長さんの話を聞き、見学が終了しました。

今、「いただきます」も「ごちそうさま」も、「宗教色がある」という理由で、子どもたちに言わせない、という学校や親御さんがいる、という話を聞いたことがあります。
「いただきます」は、「いのち」をいただきます、という意味であって、私たちがいのちをつないでいけるのは、生きているいのちを頂戴することであって、そこに感謝の気持ちを表す、というのが「いただきます」です。
「ごちそうさま」は、私たちの口に入るまでに、その食材の飼育や調理に、様々な人びとの「馳走」が関わっているわけで、その関わった全ての人びとに「ごちそうさま」と言って、感謝を表すのが「ごちそうさま」。
だから、「いただきます」や「ごちそうさま」は「感謝」や「畏敬」を表すのであって、と思うのです。
そこには、宗教に対する誤解や、一人歩きする宗教という「言葉」のネガティブイメージ、という問題が横たわっているように感じます。

最近、「畏敬」ということについて、よく考えます。
畏敬の念、という言葉、現代に生きる私たちはこの感覚を忘れてしまっていないだろうか?
科学や技術で、自然や災害も克服できると、傲る気持ちを持っていないだろうか?
食べ物に関しても、お金さえ払えば美味しいものが食べられる世の中、「食べる」という行為に畏敬の念が外されてしまっていないだろうか?
おそれ、うやまう、という感覚。
決して忘れてはいけないな、とこの見学を通じて、改めて考えさせられました。

飽食の現代を生きている自分、「いのちを頂く」という意味を考え直すいい機会でありました。
  1. 2012/06/08(金) 17:43:44|
  2. その他
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【今日のなるほど】『東洋的な見方』

私はそこそこ本が好きです。
ただ、「趣味は読書です」と公言するほどいつも読んでるわけではないですが、
時間があるときは、なるべく本を読むようにしています。

父親が結構本が好きで、昔から父の本棚には難しそうな本が並んでいて、
訳分からんながらも、ページをパラパラめくっていた記憶があります。
そんな父は口癖のように、「頭良くなりたかったら、本を読まなあかん。」と言っていました。
ですので、「本を読む」という習慣をつけてくれたのは、そんな父の言葉だったと思っていて、
今更ながら、感謝しています。

そして僧侶となった今、「本を読む」という事の重要性を改めて感じてまして、
最近では、最低でも月10冊は本を読もうと、自らに課して読書に励んでいます。
(なかなか時間がなくて、ノルマ達成できませんが・・・)

ということで、自分が読んでいる本の中で、
「なるほど~!」
と思った部分を紹介がてら、【今日のなるほど】と題してブログにアップしていこうと思います。
(本だけじゃなく、映画や音楽といったものもいいかな、と思っています。)

今日のなるほどは、コチラ↓

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鈴木大拙著『東洋的な見方』(岩波文庫)

主に禅・禅文化といったものを研究されていた仏教学者の方だそうです。

西洋のリバティやフリーダムには、自由の義はなくて、消極性をもった束縛または牽制から解放せられるの義だけである。それは否定性をもっていて、東洋的の自由の義と大いに相違する。
 自由はその字のごとく、「自」が主になっている。抑圧も牽制もなにもない、「自ら(みずから)」または「自ら(おのずから)」出てくるので、他から手の出しようのないとの義である。自由には元来政治的意義は少しもない。天地自然の原理そのものが、他から何らの指図もなく、制裁もなく、自ずから出るままの働き、これを自由というのである。
 (P64~65) 



自由の本質とは何か。これをきわめて卑近な例でいえば、松は竹にならず、竹は松にならずに、各自にその位に住すること、これを松や竹の自由というのである。(中略)松は松として、竹は竹として、山は山として、河は河として、その拘束なきところを、自分が主人となって、働くのであるから、これが自由である。必然とか必至とか、そうなければならぬというが、他から見ての話で、その物自体にはあてはまらぬのである。 (P67~68)



ずいぶんと私たちが考える「自由」とは違うようで、仏教的に「自由」というものを捉えて述べられていて、「なるほど~」と思いました。
「あるがまま」「諸法実相」の世界観だな、と思いました。
  1. 2012/06/05(火) 16:16:22|
  2. 【今日のなるほど】
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能勢妙見山 参拝!

5月31日、墨染寺の婦人会の皆様と、日帰り参拝旅行に行ってきました♪
墨染寺には「婦人会」という会があって、檀家さんの中のご婦人方で構成されています。
月1で集まって、「例会」を開いてご先祖さまの回向をしたり、お経の練習をしたり、懇親を深めたり、
様々な活動を行っています。

今回は、毎年恒例の「一日日帰り参拝旅行」!ということで、、、
能勢 妙見山!!
にお参りさせて頂きました!!

能勢の妙見山は、関西屈指の日蓮宗の霊場で、
霊験あらたかな「妙見大菩薩」がお祀りされています。
入り口には鳥居があって、一瞬神社!?と思ってしまいそうになりますが、
れっきとした日蓮宗のお寺です☆
正式には、「無漏山真如寺境外仏堂能勢妙見山」(長いですねw)というそうです。
要は、妙見山のふもとに「真如寺」さんという日蓮宗のお寺があって、
そこの住職さんが管理されている、飛び地の境内地(境外地?)ということでしょうか。

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さすが妙見山、というだけあって、入り口からは5分くらい山道を歩いてあがりました。
正面にはゆるやかな階段があるのですが、足のお悪い方がいらっしゃいますので、
みんなで坂道を上っていきました。

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境内にたどりつくと、早速ご開帳をして頂きました!
もったいなくも、住職さまと副住職さまが揃って出て来て頂き、
霊験あらたかな妙見さんの御前で御祈祷を受けました☆
法悦感謝極まりなし・・・
婦人会の皆様も感激ひとしおでした。

その妙見堂の前で記念撮影☆

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ご開帳のあとは、副住職さまから縁起の説明を頂きました。
妙見山の縁起を紙芝居風の絵巻を駆使して説明下さり、非常に分かりやすかったです♪

妙見山から見える景色も抜群☆

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参拝の後は、亀岡にある湯の花温泉で食事をいただきながらゆっくりさせて頂きました☆

お天気にも恵まれ有意義な参拝ができて、参加者一同、大喜びでした☆
能勢妙見山の皆様、参拝させて頂きまして、誠にありがとうございました!

  1. 2012/06/03(日) 17:14:32|
  2. 参拝記
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はじめまして!

合掌。

はじめまして!
私は、京都市伏見区にある墨染寺(ぼくせんじ)の副住職を務めております。

この度、ブログを始めました!!

ちなみに、私が副住職を務める墨染寺は、日蓮宗の寺院です。
宗祖に日蓮聖人を仰いでおります。
日蓮聖人は、建長5年4月28日、32歳の時、
初めて「南無妙法蓮華経」のお題目をお唱えになり、日蓮宗を立てられました。

いきなり個人的な話になりますが、
本日、私、32歳の誕生日を迎えました。
偉大なる宗祖に比することすらおこがましいですが、
「お祖師さまは、この年で宗を立てられたのだな~」と、
意識してしまう年齢に、とうとうなってしまいました。

この32歳の誕生日の砌に、
僧侶の立場で何か発信していきたいと考え、
ブログを始めよう!と思い立ちました。

このブログでは、主に、

・お寺(墨染寺)の行事や起こった出来事について
・仏教的なことについて
・個人的な活動について


以上の事について、思いついたまま記事にして行こうと思っています。
手探り状態で始めますゆえ、どうなることやら不安もありますが、
当ブログを、温かく見守って頂けたら幸いです。

どうぞ、宜しくお願いします!!
  1. 2012/06/01(金) 19:13:56|
  2. 墨染寺
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