お盆にまつわるエトセトラの第三弾でございます!
前回までの記事はコチラ↓
お盆にまつわるエトセトラ① ~お盆ってなぁに?その由来~お盆にまつわるエトセトラ② ~ご先祖様が帰ってくる!準備と心構え~前回の記事から間が空いてしまいましたが、今回は
「ご先祖様のお見送り」と題して書かせて頂きたいと思います。
京都では、
8月16日の晩、
「五山の送り火」という行事が行われます。
京都に住む方はもちろん、全国的にも観光目的でこの送り火を見に来られる方も多いのではないかと思います。
祇園祭とともに、夏の風物詩的な行事として有名ですが、
その由来はお盆に関係しているのをご存知でしょうか?
※夏の終わりを彩る「送り火」。写真は「大」の文字。8月13日にお迎えしたご先祖様。16日にお帰りになられます(15日の地域もあります)。
そのお帰りになられる際に、「足元が暗くないように」と、玄関先や、近所の川のほとりで火をたいてご先祖様をお送りする風習がありました。これを
「送り火」といいます。
「五山の送り火」も帰ってこられた精霊をお送りする
「送り火」なのです。さらに、7月~8月にかけて各地で行われる
「花火大会」も、元を辿ればこの送り火に由来しています。
現在では、玄関先で送り火を焚いてご先祖様をお送りする、という風習があまり見られなくなりましたが、「五山の送り火」や「花火」を見られる時には、
この「精霊をお送りする」という本来の意義を心に留めて、手を合わせて頂きたいものです。話変わって、お盆の事に関する質問で
「精霊棚にお供えしたお供物やお飾りは、お盆が終わったらどうしたらいいのですか?」という質問をよく受けます。
昔は、お盆のお供え物を敷いていた真菰に乗せて、近くの川に流す
「精霊流し」「灯籠流し」が行われていました。
近年では、環境問題などの事情で精霊流しが行われなくなったので、どうすればいいか困るという方が多いようです。
京都では、
お寺を中心に、お盆のお供物やお飾りをお預かりする場所がありますので、そこに持って行けばよいでしょう。当山でも、開門の6時から夕方までの間で、お供物やお飾りをお預かり致します。その際には、お灯明・お線香をお供えし、御宝前に手を合わせられることをお忘れなく。

また、全てのお供えを流すのではなく、食べられるものは
「お下がり」として頂くということも、大切なことだと思います。
「お供え」のことを
「お供養」などとも言いますが、
「供に養う」と書いて
「供養」。
ですので、仏さま・ご先祖さまにお供えしたお供物をお下がりとして頂戴し、
私たちも養わせて頂く、ということが「供養」です。
このお盆では、「供養」の気持ちを心に留めて頂き、
「仏さま・ご先祖さまと共にある、つながっている」ということを、是非とも感じて頂きたいと思います。
3回続いた
「お盆にまつわるエトセトラ」も今回で締めさせて頂きます。
京都では間もなくお盆を迎えます。
ご先祖様と共に過ごす大切な機会。是非とも準備万端にお迎えして頂ければと思います!
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- 2013/07/25(木) 17:14:19|
- 年中行事・ご聖日
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前回の記事から始まりました
「お盆にまつわるエトセトラ」!お盆について、数回のシリーズ物として掲載させて頂いております。
今回は
「ご先祖様が帰ってくる!準備と心構え」と題して、実際お盆を迎えるに当たって、どのような準備をしたらいいのか、ということを中心に書きたいと思います。
まず、
お盆の期間はいつからいつまでだかご存知でしょうか?
前回の記事では
東京や関東地方では7月盆、
地方では8月盆が多い、と書きました。
具体的には、地域によって違いはありますが、7月盆も8月盆も
13日から16日までがお盆の期間とされています。
13日の夕方、帰ってこられるご先祖様をお迎えし、15日か16日の夕方にお帰りになるご先祖様をお送りする、この3日間ご先祖様に対して供養の誠を捧げるのです。
ですから、帰ってこられる13日までに、その準備をしておかなければなりません。
まずは、
お仏壇のお掃除。これから始めましょう!
そして
「精霊棚」をしつらえます。

この「精霊棚」とは、地域や風習によって違いはありますが、
お仏壇の前などに棚をこしらえて、御本尊やご先祖さまのお位牌をお祀りし、お供え物などをお供えする棚のことを言います。
この精霊棚へのお供え物やお飾り物で、よく見かけるのが
ナスの牛、キュウリの馬などの作り物です。
これらの乗り物に乗って、少しでも楽にご先祖様に帰ってきて頂こう、という気持ちで始められたのでしょう。

そして
野菜や果物、お仏飯、お膳、たっぷりのお水をお供えします。
お線香・お灯明・供花もお忘れなく。
これらの準備を13日までに済ませておきましょう!
そして、
親戚故旧が一同に集い、亡くなられたご先祖様に手を合わせます。お坊さんがお宅に伺い、精霊棚の前でお経をあげる
「棚経」を、その時に行います。
昔は、お盆の期間は流通が止まったり、仕事も休んで実家に帰ってお盆の行事に参加するという事が風物詩としてありましたが、最近では、お盆でも仕事で忙しく・・・なんていう人も増え、なんら日常と変わらない・・・という世の中の風潮を感じます。
一年に一度しかないお盆、連綿と続くご先祖様との繋がりを感じる、大変大切な機会だと思います。
日蓮聖人は
『忘持経事』というお手紙の中で、
我が頭(こうべ)は父母の頭、我が足は父母の足、我が十指は父母の十指、我が口は父母の口なり
と仰っています。
私たちの体と心は、父と母、またその父と母(祖父母)、またその父と母(曾祖父母)・・・といった先祖代々から受け継がれて、今あるのだ、とお示し下さっています。
ですので、ご先祖様を偲ぶ一年に一回のお盆の期間を、是非とも大切にして頂きたいと思います。
次回は、ご先祖様がお帰りになられる際の
「お見送り」にスポットを当てたいと思います☆
- 2013/07/18(木) 10:31:59|
- 年中行事・ご聖日
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この時期、お檀家さんのお宅に月参りに伺うと、たいてい、
「いやー、もうじきお盆やね~一年もう半分過ぎたんやな~早いもんやな~」という話題が出ます(笑)
来月8月に迎えるお盆に備え、皆さんそろそろ準備をしなければ・・・といったところでしょうか。
私ぴぐ坊はというと、来月のお檀家さんのお宅を回る
「棚経」のスケジュール立てに追われています。。。^^;
さて、お盆にはご先祖様が戻って来られるのですが
「お盆にはお坊さんが来てお経をあげてくれて、お墓参りにいって、親戚や祖父母と会って・・・」というように、漠然と過ごされている方も少なくないと思いますので、これから数回に亘って
「お盆にまつわるエトセトラ」と題して、お盆のことを記事にしていきたいと思います。

まず今回は
「お盆の由来」について☆
まず、
「お盆、お盆」といいますが、この
「盆」というのはどこから来ているのかというと、
「盂蘭盆(うらぼん)」というサンスクリット語の音写を略して「盆」といいます。
「盂蘭盆」とは
「ウランバーナ」を漢字にしたもので、「ウランバーナ」とは
「倒懸(とうけん)」つまり「逆さ吊り」という意味になります。
供養を受けられず、逆さまに吊り下げられている苦しみに遭っているご先祖様の霊を救うことが、盂蘭盆の目的なのです。
そして、各お寺ではお盆の期間中に
「盂蘭盆会」という法要が営まれます。
当山でも、
8月18日に
「盂蘭盆施餓鬼会」を厳修いたします。
その盂蘭盆会の由来が
『仏説盂蘭盆経』という経典に記されています。
※昨年の当山での盂蘭盆会の様子お釈迦様の十大弟子のお一人に、神通第一・
目連尊者という方がおられました。
この目連尊者は、その得意の神通力でもって、亡き母のことを眺めてみることにしました。
すると、なんということか、餓鬼世界で苦しんでいる母の姿を見つけてしまいました。
餓鬼世界とは、食べ物を食べようとしても、口に入れようとすると炎となって食べることができなかったり、何メートルとある長い箸を与えられ、決して口に運ぶことができないような、苦しみの世界です。
そんな餓鬼世界で苦しむ母を見て、目連尊者は慌ててお釈迦様に教えを乞いました。
「どうすれば、母を救うことができるのでしょう」と。
するとお釈迦様は、「目連よ、母を救うには多くの僧の力を借りなければ救うことはできません。7
月15日には、雨期の修行を終えた僧たちが、この精舎に集まってきます。
その僧たちに供養を施し、共に祈念すれば、母を救うことができるでしょう」と仰いました。
その教えの通りに、目連尊者が7月15日に僧たちに供養を施すと、母は餓鬼道の苦しみから逃れることができたと伝えられています。
この目連尊者の供養が、盂蘭盆の由来であり、お盆の時期の由来でもあります。
東京などの都市部では、この仏説の通り7月がお盆の時期で、地方では、月遅れのお盆ということで8月がお盆の時期になります。次回は「お盆の準備と心構え」といったことについて記事にしたいと思います☆
- 2013/07/16(火) 12:18:55|
- 年中行事・ご聖日
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連日、
猛暑が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか?
私が所属する青年会のメンバー達も、熱中症や体調不良でダウンする者が続出。。。
こまめな水分補給など、体調管理には呉々も注意していきたいものです。
さて、先日は
七夕でしたが、皆様、お願い事はされたでしょうか??
いろいろな所で、お願い事が書かれた短冊をつるした笹の葉を見かけました。
「サッカーが上手くなりますように!」
「もっと勉強ができるようになりますように!」といった個人的なお願い事が多い中、
「世界が平和になりますように」というお願い事があり、とても目を引きました。

法華経を信仰されていた
宮澤賢治さんは
『農民芸術概論』という書物の中で、
「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」と書かれました。
ともすれば「自分さえよければ」と考えがちな現代の私たち。
この言葉を真剣に受け止めなければならないと思う今日この頃です。
日蓮聖人は
『諫暁八幡抄』というお手紙の中で、
「一切衆生の同一の苦は 悉くこれ日蓮一人の苦と申すべし」と書かれています。
全ての人の苦しみを自己の苦しみと受け止める、日蓮聖人の慈悲のお心を感じる一節です。
このことこそが、日蓮聖人の法華経・お題目を弘める原動力だっただろうと思うのです。
法華経・お題目の教えというものは、
決して個人の救済のみを目的としたものではありません。この世の中を浄土にしていくこと、仏国土を顕していくこと、「立正安国」の世の中を作り上げることこそが、法華経・お題目を信仰する者が尽力していかなければならないことなのです。
願い、祈り、誓う。何を願い、何を祈り、何を誓うのか。このことを改めて考えさせられた、七夕の一日でした。
追記。
昨日7月8日、日本山妙法寺さまが主催する「平和行進」に参加してきました。
(詳しくは
コチラをご参照下さい)
立正安国・世界平和を祈りながら、唱題行脚の修行をさせて頂きました。
日本山の皆様、誠にありがとうございました。
猛暑が続きますが、ご無事で広島・長崎まで向かわれることを、心よりご祈念申し上げます。
- 2013/07/09(火) 22:45:55|
- その他
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今年もこの季節がやって参りました!!
第43回 少年少女のための修養道場!!!夏休みを利用し、小学校3年生~中学校3年生までの少年少女の皆様を対象に、お寺に泊まって2泊3日
、「仏さまの光を私たちのまわりに広げましょう」をメインテーマに、普段学校ではなかなか教わらない
「仏教的情操教育」をお伝えする道場です。
(詳しくは、
昨年の記事をご参照下さい♪)
ただいま、京都日蓮宗青年会のメンバーが一丸となって、企画・準備に励んでおります。
先日も、日付が変わる時間まで、備品の整理や講義内容の摺り合わせなどに取り組んでいました。。。
詳細は、下記の通り!
すでに、続々と参加の申し込みがきております!
〆切は8月13日!お一人でも多くのご参加を、心よりお待ちしております!!
☆★☆★第43回 少年少女のための修養道場★☆★☆■開催日 平成25年8月19日(月)~21日(水) 2泊3日
■開催地 大本山 妙顕寺(京都市上京区妙顕寺前町514)
■対 象 小学3年生~中学3年生までの少年少女
■参加費 8,000円※
お手伝いの青年男女(高校生以上)の方々も同時に募集しています。子ども好きの方や、将来教育機関などへの就職をお考えになっている方など、スタッフとして参加してみませんか?
※
〆切 8月13日京都日蓮宗青年会のブログも、ご参照下さい♪
- 2013/07/03(水) 22:39:26|
- 京都日蓮宗青年会
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7月になってしまいました。
お久しぶりでございます。
前回の更新から
1ヶ月以上が経過、先月は一度も更新することができませんでした。
個人的な事情による多忙で、ブログを更新する時間的余裕がなく、一月も放置してしまいました。
更新がなされていないにも関わらず、当ブログに足をお運び頂きました皆様に、心よりお詫び申し上げます。
実は、先月半ば過ぎくらいから、ブログを更新せねば。。。と思っていたのですが、一度更新のペースが途切れると、なかなか重い腰を上げづらくなり、ついつい先延ばしになってしまっていました。
そして、開き直って
「再開はキリがいい7月1日からにしよう!」と勝手に決めて、今日の再開となったのでした。。。
更新されていない間に、当ブログも開設から丸1年が経過しました。
当初の予定では、3日に1回くらい(年に100記事更新)を目標にしていましたが、目標には届かず。。。
また、報告記事ばかりで、僧侶として発信する記事が少なかったという反省点も、自分の中に浮かび上がってきました。独りよがりな部分も目につきます。
更新していない間に、このような反省点を冷静に見つめることができたような気がします。
手探りですが、「僧侶が発信するブログとは?」というところに向き合いながら、これからも末永く更新して参りたいと思いますので、何卒宜しくお願い申し上げます。
また、その間、自身に大きな変化がありました。
私事ではありますが、先月初旬、当山墨染寺の御宝前にて、仏前結婚式を挙げさせて頂きました。
諸般の事情により、ご縁ある全ての皆様をお招きすることはできませんでしたが、お陰をもちまして、無事にこの日を迎えることができました。心より厚く御礼申し上げます。
これから、妻と力を合わせて三宝給仕に、また布教活動に精進して参る所存でございます。
今後とも、ご指導賜りますよう、伏してお願い申し上げます。

ぴぐ坊 拝
- 2013/07/01(月) 23:15:17|
- 墨染寺
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