墨染寺blog~ぴぐ坊のつれづれ日記~

ぴぐ坊こと当山副住職が仏教のことを中心に、日々のよしなし事を綴ります♪

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【今日のなるほど】『死なないでいる理由』

梅雨が明けました!!
暑い!!

連日の猛暑日となって、体調を崩されている方も多いのではないでしょうか?
かくいう私も、ここのところ、体調が芳しくありません。。。
でも、まもなくお盆!そんな泣き言も言っていられません!
体調を万全に、暑い夏を乗り切りたいと思います。
皆様も、どうぞ熱中症などには呉々もお気をつけ下さい。
節電はほどほどに。。。

さて、【今日のなるほど】、
今回は鷲田清一さんの『死なないでいる理由』という本を読んでいます。
鷲田さんは、大阪大学の総長を昨年までお務めになられた方で、臨床哲学、倫理学を専門とされているそうです。
鷲田さんの本は、『<弱さ>のちから』とか、『「待つ」ということ』など、惹かれるタイトルが多く、前から気になっていました。
「弱さ」にちからがあるとはいかに?とか、「待つ」ことについて真剣に論じるなんて不思議!と思ったり、なんだか切り口が面白いな~と思っていました。

ということで、今回は中でもとびきり惹かれたタイトル『死なないでいる理由』を選んで購入しました。

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まだ読んでいる最中ですが、仏教でいうところの「四苦」つまり「生・老・病・死」のことや、「家族のこと」や「人と人との関係」の話、また「じぶん」というものの存在についてなど、鷲田さんなりの向き合い方で書かれていて、非常に興味深く読ませて頂きました。

ということで、【今日のなるほど】な部分をご紹介します。

 何をするにも資格と能力を問われる社会というのは、「これができたら」という条件つきでひとが認められる社会である。裏返していうと、条件を満たしていなかったら不要の烙印が押される社会である。そのなかで、場合によっては、学校や家庭のなかでも、ひとはいつもじぶんの存在が条件つきでしか肯定されないという思いをつのらせてゆく。じぶんが「いる」に値するものであるかどうかを、ほとんどポジティブな答えがないままに、恒常的にじぶんに向けるようになる。会社で、学校で、そして家庭のなかでも。
 ひとびとが公式の関係をはみ出たところで、何の条件もつけないでたがいにその存在を肯定しあえるような「親しい」関係を求めるのはそういうわけである。鬱屈した気分のなかで、男も女も、そして子どもも、じぶんを肯定できないという疼きに苛まれている。そして、何もできなくてもじぶんの存在をそれとして受け入れてくれているような、そういう愛情にひどく渇いている。(中略)
 が、たがいが存在をそっくり肯定しあうような関係は重すぎる。裏返していえばそれは、他人にこのじぶんの存在をそっくり肯定してほしいという、深い相互依存の関係でもあるからだ。そのひとがいないと生きてゆけないという、逆の危機にひとを誘い入れるからだ。
 いまわたしたちにほんとうに必要なのは、そういうねっとり密着した関係ではなく、距離をおいてたがいに肯定しあう、そういう差異を前提とした関係なのだろう。
 


少し前の教育の現場では、運動会などで順位をつけるのは不平等なので、みんなで手を繋いでゴールしていた、という話を聞いたことがあります。
是非はともかく、私は、行き過ぎた平等教育、もう一つ言えば、間違った平等を押し付けているように感じます。
「異質の他者」「差異」を認められない人間に育ってしまうのではないか、と思ってしまうのです。
ちょっとズレている、ちょっと人と違う、ということだけで、簡単にその人自体を否定してしまうようになってしまうのではないか、と思ってしまいます。
今大きな問題となっている「いじめ」の問題も、根っこにはこういう問題があるのではないか、と感じています。

法華経に出てくる「常不軽菩薩」という菩薩さまは、全ての人に「仏身」、つまり仏さまの姿を見出して、全ての人びとを礼拝されました。
行き交う人びと全ての方々に対して、頭を下げ、礼拝を続けられたのです。
生まれや性別、貧富の差、職業の違い、容姿の良し悪し、それぞれみんな違いはあるけれども、根っこの部分、人びとの心の中には同じように仏さまがいらっしゃるのだから、それを認め合って互いを敬う、このことを教えて下さっています。
「違い」「差異」を認め合う、これが仏教・法華経の根本だと思うのです。
教育の現場から宗教が排除されている昨今ですが、やはり仏教的情操教育は必要不可欠なのではないかな、と思います。

ただ、自分自身を省みて考えてみると、やはり「違いを認める」という事はなかなか難しく、大きく反省するような事ばかりが頭に浮かんできます。
しかし、やはりそこに仏教や法華経、お題目の思想というモノサシで、日々自分自身を省みて、実践していく事が大事だな~と、この本を読んで感じました。
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  1. 2012/07/18(水) 16:51:19|
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